更新頻度が深刻になってきてしまいました。
とりあえず最近見た気になるドラマの感想を綴っていきます。
☆はじめに☆
以前のブログ(生田絵梨花系記事)でも書いた通り日曜劇場の「オールドルーキー」は脚本が余りにも陳腐なものだったので1話を見ただけでそれ以降は全く見ていません。
しかし今(夏)クールのドラマは初回視聴率等の結果から言うとどれも低視聴率のドラマばかりといった印象。
私が予想したオールドルーキーも3話目で10.8%と緩やかな下降線を辿り、いつ1桁台を記録してもおかしくない段階に突入してきました。
そんな中で「オールドルーキー」以上に酷いとされるドラマをまさかの今クール帯で見つけてしまいました。
そのドラマの名は「六本木クラス」
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このドラマは日本の連続ドラマとしては珍しい韓国ドラマのリメイク作品で木曜21時枠でテレビ朝日の社運をかけて挑むということや韓国の電子コミックが原作ということ、「女優」平手友梨奈が出てること、竹内涼真の髪型がダサいことなど・・・放送前から良くも悪くも様々な話題を呼んだのは記憶に新しいでしょう。
そして、日本版のリメイクは「これはヒットしないだろうなぁ」という巷での下馬評を覆すこともなく期待以上の「大爆死」ドラマとなってしまいました(笑)
☆六本木クラス及び梨泰院クラスの感想☆
※あくまでも個人の感想です。
原作コミックは最初の方は少し見て、Netflixの「梨泰院(イテウォン)クラス」は未視聴の私が六本木クラスの3話まで見た感想を書いていきたいと思います。
勿論、原作&オリジナルを含めほぼ未視聴なので、どれが現在やオリジナルにあって、どこのシーンが省かれているかなどは全く分からないということを念頭に置いて話を進めさせて頂きます。
※この文章を書いてる途中でオリジナル(梨泰院クラス)の方も何話か見てしまいました(笑)
まず役者の評価から
※俳優(役柄)・・・評価☆1〜5
竹内涼真(宮部新)・・・★★☆☆☆
新木優子(楠木優香)・・・★★★☆☆
平手友梨奈(麻宮葵)・・・★★★★☆
早乙女太一(長屋龍河)・・・★☆☆☆☆
中尾明慶(内山亮太)・・・?
まず竹内涼真から・・・
竹内涼真(宮部新)・・・★★☆☆☆
身長高過ぎ(185)。髪型が似合わない(原作に合わせ過ぎ)。29の割には老けている。特に目を見張るような演技はない。
・・・といった印象。
そして、役柄についてですが、転校初日にボンボン(大手企業の息子)の苛めっ子(早乙女太一)を殴り退学処分になる訳ですが、これは原作でも同様の流れです。
しかし大方の視聴者はこんな主人公に共感は出来ないと感じたはずです。
特定の恨みがある訳でもない、ただ単に“いじめていただけ”の奴を殴る道理がどこにあるのか?
ましてや今の世の中で暴力はコンプライアンス的観点から見ても厳しくなっていて手を出した方が不利になるのは分かりきっているはずだが?
あと、(書くまでもないけど)殴ったり手を出すこと自体は簡単で子供でも(子供だから)出来ること。
そして大人が後先考えずにそれをすれば人生を棒に振る可能性だってある。
韓国でどの程度暴力が許されるのかは分からないが、少なくとも法治国家である日本に置いてはいかなる立場でも暴力や暴言というのは自身の状況や立場をより不利にさせるだけの行為ということ。
※宮部新はその後も父親を轢き逃げしたと分かった長屋龍河に対してボコボコにて半殺しにするなど兎に角喧嘩っ早い印象。
そんな冒頭の印象的なシーンから宮部新(竹内涼真)と長谷ホールディングスの20年をかけた復讐劇が始まる訳ですが、純粋に復讐劇が長すぎ・・
※・・というと物語の設定への不満になってくるので一旦終わります。ちなみにオリジナル(梨泰院)の俳優パク・ソジュンも高身長で竹内涼真とほぼ同じ185㎝。
新木優子(楠木優香)・・・★★★☆☆
主人公が転校した時の同級生かつ主人公が想いを寄せるヒロイン。
この女優さんはあまり知らなかったので改めて調べてみたんですけど、特に目を見張るほどの特徴は無いのかな?という印象です。
演技を見てても可もなく不可もなくといった印象でした。
若干、28歳(竹内涼真と同い年)にしては少し老けているなといった印象。
35くらいの設定でもいいくらいだけど、このドラマはそれくらいのまでやるからあえて老け顔の女優を採用しているのかも?
個人的な感想は、可愛くもなく特別綺麗でもないこのヒロイン(アラーキー)に一目惚れする主人公には一切共感できない。
※褒めてます。
※追記
オリジナル梨泰院クラスの同役のクォン・ナラは佐々木希似の美人で元KPOPアイドル。
平手友梨奈(麻宮葵)・・・★★★★☆
IQの高い帰国子女高校→大学生。
役柄(平手友梨奈)に関しては結構いいと思います。
不貞腐れて生きてる時の表情や態度だったり、次第に主人公に惹かれていく過程の演技はこのドラマは現時点で唯一違和感なく観れるものかもしれません。
心に闇を抱えている感じやミステリアスな雰囲気、年齢設定(20前後)などはほぼ本人と変わらないということも違和感なく見れる要因なのかもしれません。
※追記
オリジナルの韓国人女優のキム・ダミも良いとは思うが、ビジュアル的な良さでは日本を代表するアイドルグループの不動のセンターだった平手友梨奈の方に分があると思う。
早乙女太一(長屋龍河)・・・★☆☆☆☆
物語においても主人公の敵役としても重要なキーパーソンで長屋ホールディングスの長男。
主人公(宮部新)が打倒長屋ホールディングスを志すキッカケになった張本人かつ諸悪の根源であるが故、相当憎たらしい演技をしないと元が取れないのだが現時点でそれは及第点以下。
残念ながら後述する香川照之のように顔芸は受け継いでおらず単なるボンボンのダメ息子感が強く演技は印象に残らない。
(今年31歳ともう若くはなく)座頭市で脚光を浴びた子役時代と比べれば単なる平凡な役者に成り下がった感が強い。
中尾明慶(内山亮太)・・・?
主人公宮部新が少年刑務所?に入ってる時に知り合った半グレ。
喧嘩っ早い性格で、挑発する客を殴ってアチアチの鍋を頭にぶちまけようとするなどする基地外。
設定や演技に関しては及第点として34歳の中尾が29歳の竹内のことを役柄とはいえ「アニキ」と呼ぶ姿は違和感でしかなかった。
(ドラマを見た限りでは)2代目みやべが出店前の時期に内山はチンピラをしており、たまたまそのチンピラと一緒に行った店がみやべでどんな境遇にも諦めない姿勢の主人公に惚れてついて来たという印象。
問題なのは
(竹内涼真の舎弟という設定で)中尾明慶は流石におっさん過ぎないか?
ということ。
中尾明慶といえば20年以上の芸歴がある子役出身の俳優であり、代表作はルーキーズやウォーターボーイズ2、ドラゴン桜など軒並み10年以上前のドラマに出演していた印象が強い。
中尾明慶を全く知らない人ならギリギリ違和感を感じないのかもしれないが、少しでも上記のような作品群を見たことがある人なら「あれ?中尾明慶って竹内涼真より年上じゃね?」という疑問や違和感が湧き上がってくると思う。
※この記事を書いてる途中にオリジナル(梨泰院)を拝見したが、顔的なことを言うと柄本時生あたりが合っていると思った。
そしてオリジナルでは上記の役柄は主人公より1つ年下とのこと。
実際の年齢も本人の主人公役のパク・ソジュンが88年生まれに対して同役のリュ・ギュンスは92年生まれと見た目年齢的にも違和感のない配役となっている。
長屋ホールディングス社長の愛人の息子という設定で実質的な次男。
異母兄弟の兄とは違いかなり良心的な性格をしている。
見た目は鈴木福。出番もそこまでないので演技面での評価は出来ないが、物語が進む上でかなり重要な役柄になってくると思われるので今後も注視していきたい。
長屋ホールディングスの会長であり、主人公最大の敵役。
ドラマというのは有名俳優をメインキャストに並べるだけでは名作にはならない。
料理と一緒で高級食材を様々な調味料で味付けすれば美味しくなるわけでない。
このドラマのキャスティングでの明らかな失敗は香川照之を入れてしまった所だと思う。
上述した料理で例えると、香川照之はクミンやガラムマサラなどの「カレーパウダー」のような調味料だと思う。
どんな料理もカレーパウダーを入れたらそれはもうカレー味でしかなくなるのと一緒で、ドラマも香川照之を入れたらほとんどのドラマが香川照之劇場と化してしまう。
オリジナル(梨泰院)をこの文章を書いてる途中に見たが、明らかに香川照之はミスキャストだと思う。
その大きな理由のひとつが、オリジナルの会長は香川照之のように過剰な演技や顔芸をするような役柄とは反対にほとんど表情を変えないことによって何を考えているのか分からない不気味さを醸し出しているから。
そんなオリジナルの設定はどこへやら・・・香川照之の過剰な演技が一人歩きする“香川回”も日本版では今後見ものになってくるのかもしれない。
※褒めてます。
【まとめ】
オリジナルの梨泰院クラスはこの文章を書いてる途中で6話の途中まで視聴済み。
六本木の方は当然3話まで見ているが、言うまでもなく断然オリジナルの梨泰院クラスの方が面白い。
☆飲食業界について☆
韓国の場合、食に関しては日本程の多様性のある美食文化は外食産業においては浸透していない。
それ故、韓国で店を立ち上げて店舗展開させて一大企業に発展させることはもしかしたら不可能ではないのかもしれない。
しかし日本はただでさえ飲食店の長期経営が難しいとされる国である。
※2年以内の閉店率は50%、3年以内で70%だが、これは韓国も同様(それ以上)で閉店率は1年以内で50%とも言われる。
そんな中でオリジナル、リメイクの主人公の店は共に開店早々から閑古鳥が鳴くことになる。
しかし主人公は刑期を終えてからの7年間漁船に乗ったりしてお金を貯めたり、人脈を作ったりする合間、市場調査や経営プラン、マーケティング戦略などを綿密に計画するなどは出来たはず。
しかし主人公はSNSの宣伝方法すら知らないという有様。
ソウルの外食産業は8万店以上ありその内半分の4万店は自国の韓国料理屋が占めるとのこと。
ただ韓国料理は日本料理のように魚のような生物はほとんど扱わず調味料にしても香辛料で味付けしたものが多いので敷居は日本(料理)程高くはない。
※上:ミシュラン獲得店の国別比較
日本版(六本木クラス)に限れば、料理経験のない人が東京の一等地の新規開店した飲食店の厨房に1人で立つのはリスクが大きいというよりリスクしかない。
これからの日本版のドラマの「2代目みやべ」がどのようになっていくのかは分からないが、少なくとも韓国の設定をそのまま日本に持ち込むのは無理があると思う。
そもそも日本と韓国では人口も宗教分布も食文化も違うので、そこら辺を日本版は違和感なく改変しなければならなかったのだが・・・・・笑
☆梨泰院クラスの批評☆
あと梨泰院クラスをこの文章を書いてる途中でかなり見てしまいました。
ここからはほぼオリジナルの批評になります。
まずは悪い点から・・
そもそも梨泰院クラスは“偶然の再開”といったベタな展開やシーンが多すぎる。
例を挙げれば主人公(セロイ)が駅の乞食を突き飛ばしたヒロイン(スア)を注意した後日、父親(ソンヨル)に連れて行かれた養護施設でばったりと再会したり、さらにその後転校した学校の同じクラスで再々会をするなど・・・(しかも隣の席に座る)。
さらにもう1人のヒロインであるチョ・イソとも(1回目は同級生の母親に報復でビンタをやり返そうとした所をセロイに止められる)着ぐるみを着てお店のチラシを配ってたセロイが、近くを通りがかった宙に舞ったイソ(バイクの後部座席に乗って人身事故回避の為、急ブレーキをかけた反動)を受け止め再会。
そして3回目は、飲み会の帰りに因縁をつけられ付き纏われた男から逃げてる最中に、無我夢中で已む無く逃げ込んだ男子トイレで(用を足してる最中に)再々会。
その割に他の仲間(タンバムスタッフ)との接点(詳細)はほぼ語られることは無くいつの間にか仲間になってたという印象が強いこと。
しかもスタッフのトランスジェンダー役(ヒョニ)、半グレ役(スングォン)、黒人(トニー)に関しては(序盤を見た限り)どれも“マイノリティだけが取り柄”な役柄にしか見えない。
そして主人公の宿敵とされる長家(チャンガ)グループの会長(チャン・デヒ)とその長男との関係についてですが、、
(会長デヒに関しては)人間性がとことんクズなら主人公視点での視聴者の共感の度合いも高まったかもしれません。
しかし物語の序盤で起きた父親の轢き殺し事件以外でのこれといったクズ、胸糞エピソードは(半分まで視聴した限りでは)ほとんどありません。
そしてその長男のグンウォンも(周りの幹部クラスからは)次期社長の器とは見なされていない無能役員という役柄。
ただ、轢き殺した後ボコボコにされて刑務所に入る直前だったセロイに対して父親に示談を提案するなど若干の心情の改善の余地が垣間見えたりと根っからの極悪人でないのも「なんだかなあ」と思ってしまう。
有能で極悪人なら倒し甲斐もあるのだろうけど
無能な小悪人では倒し甲斐がないだろう・・・。
ただ、突っ込み所は多々あるにせよ主人公が様々な困難に打ち勝って会社や組織を大きくさせていくという最終目標が明確化されているドラマはどうしても見てしまう。
ここからは梨泰院クラスのいい所を箇条書きで挙げていく。
・表では飲食店をフランチャイズやチェーン展開等で大きくしていくということを目標にしてはいるが、中盤に差し掛かるにつれて裏での株取引や不動産の売買等のマネーゲームが白熱化。
・韓国の佐々木希(?)クォン・ナラが美人過ぎ。
既に30歳を超えているにも関わらず、高校時代の制服を違和感なく着こなしているどころか、ショートのボブも含めてめちゃくちゃ似合ってた(笑)。
・セロイ役のパク・ソジュンはハマり役。
澄んだ一重瞼、鼻の高さ、キリッとした眉毛、大抵の人は似合わないが似合ってるイガグリ頭・・・
誠実で真っ直ぐでどんな状況に直面しても信念を貫き通すような顔立ちはまさにドラマの彼自身の役柄そのもの。
・それぞれの主要人物の役柄が取っ付きやすく、ストーリーも分かりやすい。
トランスジェンダー、黒人、前科者、ソシオパス等・・・
マイノリティな人達を取り込んで巨大企業に成長させる過程を描くドラマというのはありそうでなかった。
そんな人達の心の成長や変化と主人公の真っ直ぐな信念、そして人生の逆転劇がなされるのか否かなど、とても注目出来る点が多い。
飲食店従業員経験者からすると少し「ん?」と疑問符が付く場面が多いのも事実であるが、そのような突っ込み所を補って余りあるくらいの役柄(役者)の魅力と最終的な目標に向かう主人公はかなり見ものだと思います。
長々と書いてきましたがここでやっと終わります。
梨泰院クラスを最後まで見て六本木クラスも終わったタイミングでまた書きたいですが、まあもう書かないと思います。