はじめに・・
私は生田絵梨花が好きであるが、それ以前から当然多数のビールを愛飲しているビール愛好家でもある。
そんな私が「この度の件」について詳しく解説していこうと思う。
この商品はDisney作品wishと同様に社運をかけて望む新作と言っていい商品である。
※しかし、商品自体は昨年夏(7月)に一部コンビニにてひっそりと販売されていた。
私自身もこの記事を書き始めるまで、こんなビールがあることを全く知らなかった。
というわけで今回は、生田絵梨花さんのビールCMがどれくらい凄いことなのか、はたまたビールやコマーシャル業界の常識についてを所々掻い摘んで解説していきたいと思います。
まずはビールの根本的な知識から解説していきます。
【ビール、発泡酒、第3のビール(新ジャンル)について】
ビール・・麦芽使用率50%以上、副原料使用率麦芽重量の5%以下
発泡酒・・麦芽使用率50%以下、副原料使用率麦芽重量の5%以上
第3のビール(新ジャンル)・・ビール、発泡酒の違いが麦芽の使用率の違いによって分けられる。麦芽や麦を全く使用しなかった場合や麦由来スピリッツを使用したものは新ジャンルに分けられる。
※副原料は麦、米、とうもろこし等。
【ビール自体の種類】
プレミアム・・サントリーはプレモル、サッポロはYEBISU、キリンはハートランドビール、アサヒは熟撰と、「プレミアム」自体に明確な定義は存在しないが、各社概ね原材料や製造、醸造過程にこだわりがあり、値段も高めに設定している商品が多い。
生ビール、ビールの違い、ラガーやエール、自然発酵などの違いについてはまた下記のリンクを参考にしてもらえたらと思う。
「ラガー」と「エール」の違いってなに?イラストで学ぶビール入門 | ビール女子
生ビールの『生』って何? 今さら聞けないビールの話。 | ビール女子
【主な原材料】
【五味と味の表現】
苦味・・子供の頃抱いた「ビールのイメージ」の代表格。ビールの苦味は旨みや甘味、酸味を引き立てる五味の中でもなくてはならない存在である。
甘味・・ビール、発泡酒でよく言う糖質(〇%)OFFの糖質とは五味に換算するとほぼ甘み。
糖から引き出される甘み以外にも、パイン、マンゴーを使ったフルーティーなビールなどでより甘味を感じることが出来る。
酸味・・通常のビールや発泡酒で感じることは少ないが、サワーエールと呼ばれるフルーツや乳酸菌を用いたビールに関してはかなりこの酸味を感じることが出来る。
塩味・・塩味→塩分→ナトリウムであるが100mlあたりの食塩相当量はどれも0〜0.02ほどでビールで塩味を感じることは残念ながら五味の中では最も難しい。
旨味・・コクやまろやかさや奥深さという言葉で表現が出来るが、上記4つの五味が絶妙に絡み合い調和した中でもビールの旨みは出てくる。
《味の表現》
コク、キレ、爽やかさ、香り、喉ごし、酸味、味わい深いetc・・
【4大ビールメーカーの主なビール、発泡酒、新ジャンル】
【アサヒビール】
スーパードライシリーズ⭐️
(通常、生ジョッキ缶※、ドライクリスタル)
アサヒ生ビール
(マルエフ、黒生)
アサヒプレミアム生ビール熟撰⭐️
オリオン
(ドラフト、75ホワイトエール)
〈地方限定〉
花鳥風月⭐️
(東北エリア限定)
アサヒホワイトビール
(関東甲信越限定)
《発泡酒》
スタイルフリー〈生〉
スタイルフリーパーフェクト
アサヒオフ
《第3(新ジャンル)》
アサヒザ・リッチ
クリアアサヒ 贅沢ゼロ
※乃木坂合同会社に所属するタレントは乃木坂おとな選抜や齋藤飛鳥が出演中のクリアアサヒやアサヒスーパードライのWeb中心CMでの白石麻衣、西野七瀬が幾度か出演しているが、後述する「GRP」効果はいずれも高くはない。
ちなみにスタイルフリーシリーズには乃木坂公式お兄ちゃんのバナナマンが起用されており、
結果的にビール、発泡酒、第3の全てで「旧乃木坂ファミリー」が揃ってしまった。
【サントリー】
プレミアムモルツシリーズ
サントリー生ビール
パーフェクトサントリービール
ザ・モルツ
《発泡酒、第3》
金麦(75%オフ、ザラガー等)
ジョッキ生
クリアゴールド
【サッポロ】
サッポロ生ビール黒ラベル
YEBISU
サッポロ生ビールナナマル
サッポロラガービール
《発泡酒、第3》
ゴールドスター
ホワイトベルグ
【キリン】
一番搾り⭐️
SPRING VALLEY(スプリングバレー)
キリンラガー
《発泡酒、第3》
淡麗
のどごし
【ビールの新商品開発の難しさ】
例えばガリガリ君やうまい棒は単価も安く、主力商品となる味の種類を一本化していないため、あらゆる種類を発売できますが(ローコスト、ローリターン)、ビールの場合はそのように味を細分化して一度に何種類も発売することは限定缶(キリン、サッポロ等)以外ではほぼない。
つまりビール商品を新たに作るということは会社内の商品開発部の括りだけではなく、各部署の部長、課長クラスを招いて頻繁に試飲をして大方が「納得出来る」味にしていかないといけない。そこでは、コクやキレ、喉ごしと言った美味さは勿論、他社と比較、検討した上での自社のオリジナリティや独自性も加味していかなければならない。
【CM出演で価値のある企業やメーカーとは?】
アサヒ(飲料)の最新時価総額ランキングは79位。
現在の日本で資産価値の高い業種やその会社(一部)はざっくりとではあるが以下の通り。
・自動車(トヨタ、ホンダ、日産etc)
・電気メーカー(日立、ソニー、パナソニック、三菱電機etc)
大手企業だからといってCMにも価値があるとは限らない。
例えば時価総額ランキングでも4〜6位に常に位置している電子機器メーカーのキーエンスなんかはほとんどCMを放送しない。
(むしろ見たことがない)
これはキーエンス自体がBtoB(Business to Business)で成り立っている企業で消費者にアピールする必要性がないためである。
ただ、当たり前ではあるがそのような消費者に全くアピールする必要のないBtoB より、圧倒的にBtoC(Business to Customer)企業が多いのは明白であり、特に飲料、ビール会社に関してはその典型と言って間違いない。
【CMとの相関性】
例えば車のCMで広瀬すずや橋本環奈が出ていて“それだけ”で商品(自動車)を購入する人はいないでしょう。
何故なら単価が高いし商品の性能とCMのキャラクターは無関係に等しいからである。
それと一緒で商品の単価が高ければ高くなるほどCM出演者との相関関係は薄れていく。
逆に言えばお菓子や清涼飲料水、調味料、食品、生活用品などの単価の低い「モノ」はそのタレント効果が絶大に発揮されると言っても過言ではない。
タレントAが出演するCMが週に10回ほど流されるのと、タレントBが週に100回ほど流されるCMであれば人は当然ほとんどの人間は後者の方に好感を抱く。
これは同じモノや人に好感を抱きやすいという心理、ザイオンス効果(単純接触効果)と言われるものでCMには多いにその心理的作用が応用されている。
例えると・・
お父さんが娘の生理用ナプキンを買いに行かなきゃならなくなった。その場合、全く知識のない側が信頼できるのは、より多くの宣伝効果があったタレントBの商品であり、大方はそのタレントBの CM商品を買うことになる。
【生田絵梨花になった理由と期待値】
橋本環奈や広瀬すずなどの女優が仮にこの生ジョッキ缶のプレミアムビールを宣伝した場合、使われる音楽は出演者とは関係のないアーティストの音楽を制作会社が著作権利用料として借りてきて払わないといけない。
つまり、役者の雰囲気に合ってない曲を流して、「うめぇ、のどごしサイコー!!」等と言って終わるのはナンセンスで誰でも出来ることであり、無駄にJASRAC使用量がかかってしまうのでCM制作側からしたら、悩みの種とも言えます。
生田絵梨花はその点、自分の声でリカバリー出来るのでJASRAC使用量は削減でき、よりローリスクハイリターンが期待できる人材になるのだと思います(要はコストパフォーマンスが良い)。
そして、今回のビール(アサヒ食彩)のCMに関しては、アサヒビールが久々に力を入れて作った新商品というのがひしひしと伝わってくる気がする。
おっさんが「たまんねぇー」と言うイメージが強いビールで、若い女性が美味しい料理に舌鼓しながらミュージカルで歌うというのは前述した橋本環奈だの広瀬すず(プレモルCMに出演しているが)がお洒落に「あ〜美味しい〜❤️」と言うより記憶に残ると思うしインパクトは絶大にあると思う。
それもそのはず、お茶の間からいきなりミュージカル調の曲が流れてくるがいい意味で違和感を感じることでしょう。
最近ではドラマ「不適切にもほどがある!」でほぼ毎回のように一部のシーンがミュージカル調で展開され話題になるなど、ミュージカルというのは演技でストレートに表現するよりも印象に残りやすい。
買うか買わないかは別として、商品の広告効果としてはかなり効果的なんじゃないだろうか?
と私個人は思ってます。
そして何よりこのCM、3ヶ月で5000GPRを放送するそうです。
※GRPとは・・「Gross Rating Point(グロス・レイティング・ポイント)」の略語で、一定期間に放送されたテレビCMの視聴率を合計したもの。
視聴率×CM本数(1本=15秒)=GRP
アサヒスーパードライの年間GRPが35000で食彩が3ヶ月5000GRP(予定)なので、露出自体はめちゃくちゃ多いという訳でもなさそう。
しかしGRPはあくまでもCMの本数ではなく視聴率によって変わってくるので、見る機会が少ない(多い)とも言い切れない・・
今回はビールについて様々な角度から調べてる内に時間が無くなってしまい、かなり中途半端で生半可な文脈、文章になってしまいましたが、次回は完全版としてもっと詳しくビールの詳細を書いていきたいと思っております。
そして、このアサヒ食彩に関しては明日以降買ってきて他社商品と飲み比べをしてみようと思ってます。