※あくまでもこの記事は感想であり某サッカー誌、某スポーツ誌のような専門家の客観的かつ理論的な見解を交えた分析などは含んでおりませんのでご了承下さい。
この結果、アタランタやナポリは既に優勝戦線から離脱したと断言していいだろう。
インテルかミランのどちらかが今シーズンのスクデットを取ると100%断言する。
その上でミランが優勝するかしないかは前回書いた通り私の「個人的な感想」は変わらないので、そちらをご参照頂きたい。
そして今回は「もうひとつの」優勝候補
インテルについて記載させて頂く。
【インテルについての簡単な説明】
インテルは1908年に創設した100年以上の歴史のあるイタリア🇮🇹のサッカー⚽️クラブである。
当時のミランが外国人に閉鎖的だったことから反対派が「世界中の選手に対して門戸を開く」というコンセプトを名の下に創設し、文字通りのチーム名(Football Club Internazionale Milano )ともなった。
勿論、チーム名の名の通り世界中から優秀な選手がその門戸を出入りする。
今までに在籍した選手で珍しい国出身の選手を挙げるとケニア🇰🇪代表だったマクドナルド・マリガやシエラレオネ🇸🇱代表だったモハメド・カロン、今も現役の北マケドニア🇲🇰の英雄ゴラン・パンデフ、W杯には度々出場するがヨーロッパサッカーではあまり聞かないホンジュラス🇭🇳代表だったダビド・スアソ、アジア人選手では恐らくインテルで初めてプレーした長友佑都🇯🇵など。
(21世紀に入ってから)どのシーズンを見ても常時世界十数カ国、25〜30名の選手が在籍している(一時期はスタメン全員が外国人選手というのも珍しくなかった)。
ここ2〜3シーズンに関してはダンブロージオやラノッキアなどの古株ベテラン組やバレッラ、センシ、ディマルコ、バストーニなどの若手の台頭(加入)などもあり、イタリア人選手が傾向として多くなってきている。
※それでも今シーズンは11ヶ国16人の外国人選手が在籍。
【感想】
《これまでのインテルと代表キャップの重要性》
上述した通り複数ヶ国の選手が複数人プレーするのは今シーズンも数シーズン前も同じだった。
だが、近年で最も選手の「質」が悪かったシーズンはいつ頃だったかを改めて調べてみた。
結果、成績的にも8位で終わった14-15シーズンあたりに落ち着くのではないでしょうか?
2014–15 Inter Milan season - Wikipedia
やたらとブラジル人選手はいるのに代表レギュラークラスは1人もいなかったし、アフリカ出身のプリマヴェーラ昇格組が多かった割に今に至るまで大成したと言える選手は1人もいない。
長友やメデル、ポドルスキ、シャキリなど「現在では」代表100キャップ以上を経験している名選手も少なからず在籍はしていたがどの選手もあまり大きな活躍をしていた印象はない。
その時代から在籍し続けた選手は、今に至ってはチームの中核を担う、なくてははならない選手(ハンダノビッチ、ブロゾビッチ)、と安定感のあるいぶし銀のベテラン(ダンブロージオ、ラノッキア)へと変貌を遂げた。
そのベテランや長期在籍組を含めて近年のインテルが強くなった理由のひとつに「確実な代表クラス」を複数名獲得出来る様になったことが大きい。
先日、惜しくも円満契約解除を発表したエリクセンは獲得した時点で100キャップ(デンマーク代表)間近だった実力者。
その代わりに獲得したハカン・チャルハノールも27歳にしてトルコ代表で64キャップを積む実力者。
今シーズン、ルカクの代わりに獲得したエディン・ジェコも言わずと知れたボスニア代表のキャプテンであり同国代表の最多キャップ&得点保持者。
その他、
ペリシッチ、サンチェス、ビダルに関しては代表100キャップ以上、ベシーノ、デフライ、シュクリニアル、ブロゾビッチ、コラロフは50キャップ以上、バレッラ、ダンフリース、ラウタロは30キャップ以上と個々の選手を見ても確実に「代表クラス」が揃っており、量は勿論、質という面に関しても確実性を保証するのはどんな弱小国であれ強豪国であれその国の代表というのが重要になってくると思う。
移民や黒人選手などが多いフランス国籍やイングランド国籍などの選手が招集され代表でピッチに立つのは他の国の代表と比べれば容易ではない(ブラジル、アルゼンチンは言わずもがな)。
しかし平均的なヨーロッパサッカーリーグの平均外国人率(50%〜60%)と換算した場合、一部リーグでプレーする自国の選手は単純計算で200人以上。
※ユースや下部組織を含めれば300〜400人にもなるえる。
そんな選手の中で「代表クラス」でもない選手というのはヒエラルキーの30番目(ギリギリ選ばれない)にいるのか200番目なのかを明確に提示(数値化)することができないのであります。
監督が変わるのはW杯やEUROを境目として4年〜6年スパンが多い。
勿論成績不振で解任されることを含めても2〜3年ということを考えればそこまで大きな差はクラブチームほどはないと思う。
そして監督が変わりどんな人が指揮したとしても招集する選手は前監督と大きくは変わらない。
50%の選手は前監督と同じく招集されると思う。
それを踏まえた上で招集される選手の最大の振り幅は(1〜2年で)せいぜい25×1.5で40人前後。
年間の代表試合はFIFAランキングやW杯、地域ごとの大会(EURO、コパ・アメリカなど)などで変動があるが大体は5〜10試合が目安。
代表デビューは早ければ17、18でする「逸材」もいれば20代後半で代表デビューする「遅咲き」もいる。
しかし平均すれば22〜23歳くらいではないでしゃうか。
まあそのように年間の代表試合数、年齢などを考慮した上で「確実な選手」「凄い選手」かどうかというのがおおよそ分かる訳です。
「人口35万人のアイスランド🇮🇸代表だったグジョンセンがもしブラジル代表だったら招集すらされなかった」なんて仮定はしないでしょうし日本代表の選手がブラジル代表だったら全員スタメン落ちだなんて想像もしないでしょう。
この前の記事の通り今のミランの選手達の実力はその方式でいくと確実性があるのかないのかすごい選手なのかどうかで不明瞭な点については拭いきれない。
その点上述した通りインテルの選手達の代表キャップ数はイタリア人選手を除けばほとんどの選手が30キャップ以上を積み、継続的に代表招集されピッチに立っている。
今後のスクデットを占って行く上でそのような名選手なのか?優秀な選手なのか?を客観的かつ数値で提示できる代表キャップというのはかなり重要でそれがなければ選手の実力、将来性、プレーの確実性などは保証できない。
サッカーが全く分からない方も選手をググってWikipediaの選手紹介項目の下にある国を見て何試合出場してるかを見れば大体どんな選手かは想像出来ます(笑)
ちなみにメッシは34歳で155試合、ロナウドは36歳で182試合(笑)です。
この方達は別次元過ぎるので・・・⬇︎⬇︎
ロベルト・レバンドフスキ(33)128試合
モハメド・サラー(29)73試合
アーリン・ハーランド(21)15試合
ダビド・アラバ(29)83試合
20歳で代表デビューして年間の試合が平均8試合とすればどの選手も打倒な値ですね。
逆にこの選手どうなの?例が以下
ハンス・ハテブール(27)11試合
ロビン・ゴセンス(27)13試合
サムエル・カスティジェホ(26)0試合
ジュニオール・メシアス(30)0試合
ティエムエ・バカヨコ(27)1試合
マリオ・ルイ(30)11試合
ディエゴ・デンメ(30)1試合
ファン・ジェズス(30)4試合
※代表国などは省略
セリエAの上位ですら「誰だコイツ?」と言われても仕方ないようなメンバーが多いのだから下位やプロビンチャのチームは尚更でしょう。
このような一目で分かるデータでも個々の選手のおおよそのスキルというのは分かってしまうのです。
【優勝へ向けて】
《監督や戦術》
しかし純粋な戦力値や代表キャップはあくまでも参考に過ぎない。
プレミアリーグの15-16シーズンのレスターシティの例や昨シーズンのフランスリーグ1のリール、リーガエスパニョーラのアトレティコ・マドリーの例があるように明らかに他のチームの方が戦力値は上なのに優勝する例はよくあること。
肝心なインテルの戦術やチームプレーをここでは振り返る。
まず、コンテ時代にも確立していた後方から細かくパスを繋いで前線のルカクやラウタロがフィニッシュするというパターンは今シーズンも健在。
昨シーズンはチームの連携も及第点ではあったが、ルカクの桁外れの決定力、ハキミの爆発的なスピードなど個人に救われる場面も多かった。
しかし今シーズンは序盤こそおぼつかない試合が目についたが代表ウィークが開けた11月22日のナポリ戦から怒涛の7連勝、しかもナポリ戦以降は6試合連続無失点も更新中。
直近のセリエAで6試合で17得点0失点は驚異的。
ほとんどがプロビンチャの中位or下位チームのクラブにはなるがその中にはローマも含まれる。
ローマ戦に関してはアウェイに乗り込み前半で3点を取り早々と試合を決定付け、後半は省エネで体力を温存するかのような消化試合になっていた。
序盤がおぼつかなかったとはいえ前半を折り返して14勝4分1敗。
内訳の引き分けた相手がアタランタ、ユベントス、ミラン、サンプドリア、負けたのがラツィオということを考えると、サンプドリア以外のプロビンチャや下位チームには全て勝っており不覚を取る試合は無かったとも言える。
ここ数シーズンでも1、2を争うくらい上出来の前半でした。
引き分けた試合はいずれもリズムを掴みながらもPKの失敗や終盤に同点弾を食らうなどして勝ち点を落とした。
ミラン戦やアタランタ戦などでもしPK(ラウタロ、ディマルコ)決めていたら、追いつかれたとしても結果は同じであった(勝ち点1)だろうし、逃げ切りに成功していたら(勝ち点が2×2=4)後半戦でもう少し余裕(勝ち点)が持てたかもしれないことを思うと少し悔やまれる内容ではある。
※昨シーズンはルカクがPKをほぼ全て沈めていたので外すシーンは(私の記憶してる限り)なかった。
まあ、完全なる下位チーム相手に終盤で追いつかれ勝ち点を落とすということがなかった(サンプドリア以外)だけでも前半戦は良かったのではないでしょうか。
今シーズンが開幕した時点でも記述しましたが昨シーズンルカク頼みだった前線の攻撃もバリエーションが増えてより多くの選手が得点や攻撃に絡めるようになった印象が強い。
ルカクがいるとポストプレーからの強引なドリブル、ぶち抜きシュートと1人でハーフウェイライン際からシュート、ゴールを担ってくれていた訳だが、今シーズンはそのルカクが抜けたポストプレーなどはジェコ、ドリブルはコレア、シュートはラウタロ、パスはサンチェスなどとそれぞれがそれぞれの持ち味を活かしていい意味で分散化され、4人の組み合わせで日増しに連携が高まりゴールが生まれる好循環のサイクルに入った。
サンチェスやコレアなどはそこまで得点はしていないが中盤の得点力が尋常じゃないインテルでは周りを活かし活かされるような彼等の存在の方がよりチームとして活性化出来るのだと思う。
昨シーズンも多くの得点者がいたものの、その中心はルカクのパターン化された得点が目を引いた。
今シーズンは上述した通り、各々の選手に得点が分散され、相手チームからしても非常に予測がしづらいサッカーを展開出来るようになった。
左センターバックのバストーニのサイドバック並の頻繁なオーバーラップやブロゾビッチの最終ラインからの組み立て前線まで飛び出してのフィニッシュ、チャルハノールの中長距離からのミドルシュートなど
相手チームも選手やチーム戦術を掴めきれず全く手が出ないという試合が今シーズンは如実に多くなったのではないでしょうか?
4-0で勝ったカリアリ戦に関してはボール支配率が驚異の75%!!
スコアは勿論だが、今のインテルは根底から試合を支配して完膚なきまでに叩きのめし結果を残すサッカーを実践している。
昨シーズンのコンテは
シュクリニアル、デフライ、バストーニの3CBを完全に固定しておりたまに誰か1人が累積や怪我などした場合にダンブロージオやラノッキアが入りケアしていた。
今シーズンはデフライの短期の怪我などもあり安定の3CBが揃わない場面が多々あった。
特にスペツィア戦に関しては一時的にセンターバックの怪我人が続出していた為その日のセンターバックはダンブロージオ、シュクリニアル、ディマルコというほぼサイドバックが脇を固めるような布陣でキックオフをしたが、なんてことはなく終わってみればボール支配率63%の2-0で完勝という内容であった。
いい意味でも悪い意味でもほとんどメンバーを固定していたのがコンテ時代のインテル。
シモーネのインテルはどんな選手がスタメンで出ても根本のスタイルは変わらず同じサッカーが出来て柔軟性があるのが特徴的。
3CBはコンテ時代と変わらずだが、そこにラノッキア、ダンブロ、ディマルコ、コラロフ、ダルミアンなど組み合わせのバリエーションも心なしか昨シーズンより増えた印象。
尚且つそのほとんどがウイングバックも兼任出来るのは心強い。
インテル観戦歴20年以上の筆者からするといい監督か悪い監督かを見分ける判断材料となるのは選手交代のタイミングであり適材適所の投入だと思う。
当然試合の流れを組んだターンオーバーによるスタメンも重要にはなってくる。
2020年から導入され今現在も世界中のサッカーリーグでスタンダードになりつつある「交代5人制」。
シモーネ監督は4人の選手を80分までに投入して、残り1人を10分を切った段階で様子を見ながら投入するという流れが傾向として多い。
交代は全て使い切り出来るだけ長い時間プレーをさせるというのは選手冥利に尽きる。
完全なる格下のサンプドリアに引き分けた際には残り20分以上残して5人の交代を使い切るが、そこで投入したセンシが怪我をして残り10分を10人で耐えるという展開にならざるを得なかった。
そのようなことが起きて以降はセンシの交代のタイミング、5人の使い切りのタイミングなどを考えて慎重に投入するようになった(気がする)。
ローマのモウリーニョは5人の交代を使い切ることはほとんどなく、ボールに触ることすら難しいような時間帯(ロスタイム)にいれることもしばしば。
単純にレギュラーとサブの実力差があるから交代が切れないのか?
しかしベネツィアのザネッティ監督などは早い段階で5人の交代カードを使い切る。
少なくともインテル戦で切った交代が2名というのは意味不明。
負け戦確定で経験を積ませるという意味でも交代枠は使い切ると思うが?・・
本題と逸れてしまいましたがローマの10勝2分7敗という成績(6位)を見ても今のモウリーニョは既に名監督ではなく「元名監督」という称号が合っていると思う。
ラツィオ、やフィオレンティーナとほぼ同じ勝ち点で(残り19試合ありますが)チャンピオンズリーグは既に絶望的でカンファレンスリーグに出場できるどうかといったところでしょう。
この様にモウリーニョ監督のような交代、シモーネ監督のような交代、好みは人それぞれありますがあくまでも監督が結果を逆算した上で適材適所のタイミングで投入しているのだと思います。
見ている側からしてみればエンターテイメントでもあるのだからより多くの選手を見たいと多くサッカーファンは思います。
それも、より早いタイミングで交代を切れば試合の流れが変わる確立も大きくなる。
そういった意味では今のシモーネ監督は個人的に交代のタイミングだったりがドンピシャ過ぎて・・
大好き❤❤❤
あと、むさ苦しい中年オヤジ監督が多いイタリア人監督の中でも中年太りもなく、スタイルも現役のときとさほど変わらず、毎回スーツを着こなし、清潔感もあり・・
大好き❤❤❤
まあ元々現役時代からイケメン兄弟(インザーギ)として名を馳せていた訳であるからこうなったのも必然と言えば必然なのかもしれない。
日本でもイケメンは正義だが
イタリアでもイケメンは正義!!
サッリとかだったら気が狂ってたかも(笑)
ここまで個の選手の信用度や信頼性、監督の戦術や交代などを中心に何故今シーズンのインテルが強いのかを個人の意見として伝えて参りました。
ナポリやアタランタが優勝するのはセリエAにとっていいことだしそういう時代が訪れてほしいとも前々から思っている。
特にナポリは私がセリエAを見始めた時はセリエBが主戦場で一時期はセリエCにも落ちていたチーム。
そんなチームがたった数年足らずでセリエAの優勝争いに絡めるようになったのはとても誇れるべきことで、セリエAとしても強豪が増えるというのはリーグ自体も面白くなるということだから、世界中のセリエA(サッカーファン)ファンの増加にも繋がる可能性があるのだ。
しかし、後半戦でインテルがコケまくったとしてもアタランタやナポリも同じくらいコケまくるだろうし、ミランも特別いいサッカーなどはしてないので同じく勝ち点は一定数取りこぼすと思う。
個人的に解説した通り今シーズンのインテルは個の選手のクオリティやチームの連携や完成度が熟練の域に達しようとしており、セリエAのチームの中では本当に穴がないとも言える。
数シーズン前であれば控え選手とレギュラー選手で実力差あり試合結果を左右する要因ともなった。
しかし今は経験豊富なベテランも多く安心して見ていられる選手が多いし、スタメンとリザーブで大きな実力差というのはほとんど感じない。
(ガリアルディーニやベシーノに関しては毎回議論の対象にはなるが、2014、15年あたりのそれではない)
そんなこんなでセリエAの優勝は断言しないが、今シーズン(21-22)前半についての総括はここまでにさせて頂く。
来年も気が向いたらこのジャンル(セリエA)に関しては更新させて頂きます。
では👋