第二章専門学校時代の選択
さて、話は戻りますが2003年以降私はドラゴンボールの絵を描いたり模写したりして勉強もろくすっぽせずに過ごしていました。
最近つくづく実感するのが鳥山明先生って凄いなぁと。
鳥山明先生に関してはまた別記事で語りたいのでここは省略させて頂きます。
さて、私はドラゴンボールがきっかけで「漫画」や「アニメ」というジャンルに興味が沸き、アニメーターか漫画家になろうと思い始めていました。
「実像は本質に先立つ」の言葉通り、存在しているだけで私自身の本質、付加価値がない今の現状からしてみれば、あの時本気でアニメーターを目指していれば東映アニメーションの委託先のどっかの工房で一アニメーターとしてドラゴンボール超の動画を描けていたかもしれない。
世界中にドラゴンボールを描ける人はごまんといる。それなのに何故お前はそんなに書きたいのか?
それは、
アニマックスでドラゴンボールZのアニメを見ているとナメック星の中盤以降あたりで神作画が残念作画かがハッキリ分かってくるんです。
これもチョチョイと名前出しますけど神作画は山室直儀さん、久田和也さんあたり、残念作画は内山正幸、海老沢幸雄。
だからドラゴンボールZのアニメに関しては通して見ると絵柄で統一感がなく回ごとにムラがあって残念回はストレスが溜まっていたのを思い出します。
私は敬意の念を込めて「下手くそ内山」と言ってました。勿論彼等はドクタースランプやそれ以前の別アニメで作画をしていることもありましたが流石にドラゴンボールZの中盤から後半は酷かったと言わざるを得ません、、鳥山先生の角張った筋肉質のタッチの絵柄についていけなかったんでしょう。
だから正直、ドラゴンボールZ中期以降とGTのアニメは駄作だと評価してもいいと思います。
こんな糞な作画ならまだ俺の方が上手いと思いアニメーターになろうと思いましたけど、当時は当然ドラゴンボールの新シリーズなんか始まると思っていないし、私が好きなのは漫画でなくドラゴンボールだと思いアニメーターは諦めました。
それが17歳頃だったと思います。
そして、漫画家になるにもろくすっぽ絵が描けない上にその絵が鳥山調になってしまう。その頃はドラゴンボール以外の漫画なんか糞食らえと思い他の漫画はあまり見る気になれなかったんですよね。
それでも様々な漫画を一巻だけ買ったりして読んだりもした。
でも当時は客観的に見て評価するような力はなかった。今だったら語れると思いこのブログを立ち上げたのです。
さて、20になり私は2年遅れでデザイン系の専門学校に入学します。
その時新たにその専門学校では漫画コースが新設されるのですが私はあえてビジュアルデザイン科という学科に入ります。
鳥山先生が漫画家になったのが23、4の頃で元々はデザイン系の会社にいたというのが大きいと思う。
※まあ鳥山明先生レベルには間違ってもなりませんが・・
もうひとつは漫画学科みたいなコースで漫画を描いても正直いい漫画家にはなれないと思ったから。
それもそのはず、漫画家は基本的に個人事業主であり就職の概念等もなく、いつ「給料」が発生するのか、といったことを考えたらとてもじゃないが、そんな学科に入らせる親側としては大博打に他ならないんじゃないかと思う。
だからあくまでも広告関係の会社の就職を目指すという体でビジュアルデザイン科に入った。
芸術に対するイロハを学ばせてもらった。
写真や造形、イラストレーション、広告というものを学んだつもり。
しかし周りの画力や丁寧さとは比べ物にならずセンスのなさを実感し就職は完全に諦めた。
私自身、模写とかなら描ける自信が結構あるのですが一から何かを描けと言われたらほとんど出来ない人なんです。創作能力とかクライアントの希望に沿って仕上げるみたいな能力は・・ないんです。
好きになるという観点で専門学校を卒業するまでで好きになれたり知れたのは以下の作家や作品。
サルバトーレ・ダリ
エルジェ
100万回生きた猫
etc・・
多くの芸術に関して考える事ができたし、いろんな作家の作品を知る事ができた。
その点についてはよかったと思う。
それに中学すらろくすっぽ卒業出来なかった自分からしたら何年ぶりかも分からないやり遂げられた2年間だったので専門学校時代はなんだかんだで良かったと思ってます。
デザイン会社の就職活動もせず、ただ単に専門学校の卒業をするのでありました。
デザインというのはセンスを問われるもので教え込むものではないのかなと、私自身思いました。
特定のクライアントに対して「うちの今度発売する◯◯って商品をデザインして欲しい、イメージとしては◯◯な感じで・・」
その様に依頼を受けたらパターンをいくつか作り、企業側へ提出しなければいけない。
漫画のようにデザインというのは好きなキャラクターを描きまくって表現するという自己アピールの制作の場ではない。
よりどんなデザインがよいかを客観的に考えクライアントの満足するものに仕上げるのがデザイナーというものなんです。
デザインは自分の「好き」をひたすら描ける漫画とは正反対なんです。
だからといって漫画をその専門学校で書かなかったことは後悔はしていない。そもそも漫画を描くのにお金を取ること自体がナンセンス。
Gペン丸ペンインクホワイト原稿用紙シャーペン消しゴム定規さえありゃ貧乏人でも漫画自体は描ける。
あえて難しい方、自分のやりたくない方を選択したのが良かった。あのタイミングでもし漫画を描いていたら卒業すら出来なかったかもしれないから。
自分の決断したしたことには必ず理由がある。
決断する前に考えたことと決断して結果が出たあとを考えて照らし合わせてみる。
それが間違った選択だとしても、それはこれからの自分の糧になる。
W・B・ブレンダー
「最高の人生の生き方」より